作 品 | T.E.ロレンス |
コミックス | WINGS COMICS(新書館・全7巻) <注:上・中・下巻本が93年に刊行> |
初 版 | 1'85/6/10, 2'86/1/20, 3 8/10, 4 '87/6/15, 5 11/10, 6 '88/7/25, 7 11/20 |
初 出 | 「Wings」'84年11月号〜'88年8月号 |
登場人物: T.E.ロレンス、シェイク・ハムディ、シーク・アーメド(ダフーム)、アリ・イブン・エル・フセイン、ファイサル(メッカのシェリフ第三王子)、デヴィッド・ジョージ・ホーガス(博士)、レナード・ウーリー、他 |
あらすじ: 映画「アラビアのロレンス」で知られる、トーマス・エドワード・ロレンスの評伝を神坂流に解釈、アレンジしたものである。私生児ロレンスの子供時代から、考古学者としてアラビアに赴き、魅せられ、中東戦争におけるアラブ軍の参謀として活躍し、バイク事故で死亡するまでを描いた作品である。死後の話なども外伝として書き下ろしている。執筆者・咲花圭良 |
コメント: R指定(かもしれない。一応こう書いておこう。ただし男女のからみはほとんどありません。)
映画「アラビアのロレンス」を先に見て、これを読むと激怒するらしい。が、これを読んだ後映画を見ると映画の方がひどく物足りない気がするという色んな意味でアクが強い作品といえるでしょう。それもモデルとなった人物に問題があるのかもしれないが(もちろんフィクションという前提がある。)、天才だけが持つ純粋さ故に懊悩、葛藤するロレンスを見事に描き切った、おそらく神坂の代表作といえる作品である。第十三話「アラブ軍北上」の敗残トルコ兵を全滅させるシーンは圧巻で、映画「アラビアのロレンス」が英雄の活躍を描いた美談であるとするならば、この作品は、人間ロレンスの心象を描いた作品であることがここで象徴されていると言っていいかもしれない。
受け付けない人は全く受け付けない。しかし一度はまると眠るのも忘れて読み返してしまう、恐ろしい作品である。(ある程度大人になった方が、かえって読みこなしやすいだろう。)(C)少女マンガ名作選
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