スター・レッド 作 者 萩尾望都 コミックス 小学館フラワーコミックス、 初 版 フラワーコミックス(全三巻・小学館)、小学館文庫(全二巻)他 初 出 「週刊少女コミック」1978年23号〜79年3号 登場人物:徳永星(セイ・ペンタ・トゥパール)、エルグ、徳永周、サンシャイン(陽一)、大内源、ベープマン、コマンド、アン・ジュール、カッパ、ピアン、シラサギ、ヨダカ、黒羽、百黒老、チグル、ラバーバ、レガット、ミュージュ他 あらすじ:西暦2276年、未来都市ニュー・トーキョーシティで十五才のある少女が存在した。徳永周博士の娘で徳永星、昼間は女学生だが、夜はニュートーキョーシティの上区で縄張りをまとめるレッドサークルのボス、レッド・セイだった。 コメント:十数年前、「ポーの一族」、「トーマの心臓」、「11人いる!」と、世で萩尾望都を一大マンガ家に仕立てあげた作品に、いくら読んでもピンと来なかった私が、唯一はまった作品が、この「スター・レッド」である。 作品の位置付けとして、竹宮の「地球へ…」、松本の「宇宙戦艦ヤマト」などと、時代を同じくして発表される。未来都市、超能力者、異星人など、なぜかこの当時頻繁に書かれた作品の要素がふんだんに取り入れられている。そうした共通性、細かい設定、思いがけない展開など、最初から完璧に練られた作品なのかと思いきや、担当編集者に突然連載を申し渡され、慌ててタイトルを提出し、毎月の締め切りとのおいかけっこで作って書いた、という自転車操業であったということなのだ。それを知らされるにつけても、萩尾は実は自転車操業の方がいい作品が書けるのではないかと思ったほどである。 ただ一言付け加えるなら、火星への移住は理論的には可能だそうである。しかし移住したとしても、「スター・レッド」のような火星人は生まれてこないだろう。が、少なくとも、これを読んで以降、私にはあの蛸のようなイメージの火星人が、至極無粋な存在としてしか映らなくなってしまった。 |
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