少女マンガ名作選作品リスト

担当者:みやみや 作成日:1999/4/17

作   品

雨柳堂夢咄(うりゅうどうゆめばなし)

作 者

波津彬子

コミックス

朝日ソノラマ出版(1〜6巻、刊行中)

初 版

5/3/1,6/9 30,8/7/25,9/3/20,9/12/20,10/9/25

初 出

「ネムキ」眠れぬ夜の奇妙な話 連載中

登場人物:「雨柳堂」の主人とそれを手伝う孫の、蓮(れん)。篁 青二郎(たかむらさいじろう)。 つくろい屋の弟子、釉月(ゆつき)他モノノケ達

あらすじ:店の入り口に大きな柳の木のある骨董屋「雨柳堂」。
 目ききがいいのと人のいいのが評判の店主が買い付けに出かけてる間、店番をする孫の蓮のもとに、男が品物を売りにくる。椿の花精の描かれた掛け軸。男には時間がなく、蓮に絵をゆだねることにする。
 夜、軸の椿の花精が蓮の元を訪れる。「あなたなら、わたくしの声を聞いてくださる」どうか自分をあの男の元に帰してほしいと涙する。男は以前組織を裏切ったとかで追われているとゆう。彼なりに覚悟があったから椿の絵を置いていったのだが、椿は最後まで男と一緒にいたい。(C)みやみや
 いつの頃からか、恋に落ちる。男はすべてをなくしても椿を手放す事はできないほどの、椿は男のために人に姿をうつすほどにだだ見つめるだけの恋。
 蓮は絵を男に帰しにいく、泣いて訴えるものを無視できるほど不人情ではないからと。
 男のもとに椿が戻り、組織からの追ってに見つかってしまう、その時がくる。

コメント:まだ日本に本物の闇があり、そこに潜むモノを人々が信じていた頃のお話。骨董品、モノに宿る思い、がこごってモノノケになるとゆう。いわくありげな品物と、妙に愛嬌のある物の怪たちがとても純粋で悲しい。古き良き時代の人の心を感じさせてくれる作品。(C)少女マンガ名作選
 人ならざるもの達に不思議に優しさがあり、悲しい。それが不思議に透明感のある世界観を作り出している。彼等に愛される不思議な少年、骨董屋の孫「蓮」が人と闇とをつなぎ黄昏れた世界がなんの違和感もなく世界を構築される。深く沈んだおりのようにこごった泉鏡花ににた世界が広がっている、私は鏡花の「夜叉が池」を思いだした。時代、世界観などどこか意識しているのかもしれない。
 一話完結式になっており読みやすい。

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