少女マンガ名作選作品リスト

担当者:さがみ  作成日:2000/02/06

作 品

PARTNER パートナー

作 者

名香智子

コミックス

フラワーコミックス(小学館・全17巻)、フラワーコミックスPS版

初 版

1981−1987

初 出

「プチコミック」昭和55年11月号〜62年6月号

登場人物:宝珠茉莉花、神砌、フランツ・フォン・ハイドリヒ、赤目六郎、小川鈴音、小川志文、芥川鉄郎、芥川千賀子、オーディン・ビョルンソン、フレイア・ビョルンソン、シンシア、ジェニファー・コール

あらすじ:宝珠茉莉花はお嬢様学校で校則の厳しいアリス学院の3年生。親友と共に出入り禁止のディスコに通い、うさばらしをしていた。ある日ディスコで美形の金髪外人と出会いソシアルダンスを踊ることに…。次に会う時はワルツを踊る約束をするが、彼は帰国してしまい、名前もわからずじまいになってしまった。
 神はそんな二人を見ていた。
 数日後、偶然茉莉花と出会った神はソシアルダンスを一緒にしようと彼女を誘い、茉莉花もまた次第に、ダンスの魅力にとりつかれてゆくようになる。
 神と一緒に競技ダンスを見学に行った茉莉花は、その華やかなドレスを見て、自分も着て踊ってみたいと言い、急きょ神と出場することに…。このままいけば、一位も狙えるかもという時、茉莉花がまだ17歳だということを聞き、神は棄権するしかないと言う。この時社交ダンスは風俗扱いの為18歳以上でなくては駄目なことを知る。神や赤目はそんな法律をいつかなくし、海外の様にジュニア部門も出来るようにするのが夢だと言う。
 本格的にダンスを始め、神のパートナーになった茉莉花だが、神を慕う小川鈴音が現れてパートナーの座を争う事に…。鈴音の兄・志文も現れ、神&鈴音、志文&茉莉花のペアで争う事になった。志文は社交ダンスに関しては素人だが以前バレエを習っていた事もあり、持ち前の才能で驚くほどの上達をみせる。 (C)さがみ
 両ペアは大会に出る事になった。両ペアとも順調に踊っていたのだが、志文ペアにはひとつ問題があった。他のペアとぶつかってしまうのである。今までの練習では広いホールを独占して踊っていて、フロアー・クラフト(他の競技者とぶつからないように、しかもよけるという印象を与えずにごく自然な流れとスピードを保つダンスの高等技術)の練習をしていなかったのである。問題点が解ればなんなくクリアできると思っていたが、志文は動けなくなってしまう。
 頭では理解しても、体が拒絶反応をおこしてしまうのだった。そこで急遽茉莉花がリードすることになった。普段ダンスはリーダーである男性中心で女性がリードして上手く踊れる様には出来ていないが、どうにかその場は切り抜けた。まだ競技は残っているが、動揺を隠せない志文をみかねて茉莉花は足を挫いたと嘘をつき競技を辞退する。
 神のパートナー争いに負け、更に志文は日本を去ることになって、茉莉花はダンスパートナーを失うことになるが…。

コメント:読んで始めに思った事、ダンスが踊りたくなりました。(正直な話。TV の「ウリナリ」でも社交ダンスが取り上げられているし)話的には後半は恋愛色が濃 くなっていき、結構どろどろな場面にもお目にかかりますが、ダンスシーンにはとき めいてしまいました。モダンチックな衣装よりも、いかにもドレス〜なひらひらふわ ふわドレスに憧れます。一度でいいから着てみたい。
 物語中の恋愛に関しては「そうなんだよね!」と「なんでそうなるかな?」の両方 でしたね。神さんが案外鈍感なので茉莉花には同情しました。
 恋愛ものって、自分がまだ彼氏もいない時に読むのとそうでない時に読むのとでは 感じ方が違いますよね?この作品は結婚してから読んだので茉莉花のイライラに 結構同調できました。付き合った事がない自分だったらどう感じたんだろう? 恋愛の暗い場面は所どころに見られて、こっちまで暗くなりがちでしたが、最後は まぁまるく納まったので良しというとこでしょう。個人的には最後あまりあっさりい き過ぎて「えっ?もう終わり?結局こうなるのかい」ってのが感想。(C)少女マンガ名作選
 番外編も数話載っていて楽しめました。個人的にはもっと登場人物のその後が読み たかった。ものたりないんだもん。
 名香さんは結構古くからいるわりには、いまひとつマイナー感がありますが、固定 ファンは多そうですよ。(私もそうですが。)「パートナー」は最近文庫にもなりま したし、他にも「ファッション・ファデ」や今プチフラワーに連載中の「シャルトル 家シリーズ」なんかもお勧めです。

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