大人になってもマンガ好き・掲示板 |
過去ログその4
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文月今日子先生の作品で、『クレドーリア621年』は?ご存知でしょうか?
実は、私の文月先生事始めは、この年代のご他聞に漏れず
『グリーン・レクイエム』です(笑)。
新井素子先生のこの作品は、英語、日本語、イメージアルバムと揃え、
当然の事ながらNHK-FM『ふたりの部屋』のラジオドラマも全てエアチェックした、
という、
思えば当時は若く、時間がありました。
その延長で買ったコミックスでしたが、正直、
当時、私は文月先生の絵があまり好みではありませんでした。
横顔の妙に眉毛が長く見えるところとか。
それで、作品の解釈はとても良かったので、
お気に入りのコミックスにはなりましたが、
文月先生にハマる、ということもなく、過ごしておりました。
その私を変えさせてしまったのが、
『クレドーリア621年』(講談社KCコミックス:昭和61年)です。
『クレドーリア621年』との出会いは、立ち読みでした。
大手の書店は立ち読み出来ないようにビニールカバーをかけ始めた頃でしたが、
まだ近所の書店では立ち読みができました。
それで、立ち読みして、もう、面白くて一気に読んでしまいました。
で、「今日は本当にラッキーな作品に出会ったな」と思って家に帰りましたが、
帰宅後もその余韻冷めやらず、
結局、翌日、本代を握りしめ、そのコミックスを買いに行く事となりました。
こういう出会いがあるから、立ち読みも必ずしも悪いことばかりではないと思うんですよね。
もし、立ち読み出来なければ、私がこの作品に出会うことは無かったし、
その後、文月作品を買い漁る事も無かったかもしれない。
もっとも、遅かれ早かれ文月先生作品の良さに気づいたことは間違いなかったでしょうが、
『クレドーリア621年』には出会えなかっただろうと思います。
だって、その後、一般書店では全然見かけませんから。
コミックスの世界はホント、出会いが肝心で、
その一瞬を逃すと一生出会えなくなる作品が星の数ほどあって、困ってしまいます。
で、その内容ですが、なんとSFなんです。
文月先生のSF。今から思えばかなり珍しい作品なのでは。
クリテリオン星系の惑星クレドーリアは最初に太陽系人類が植民した、
美しく、歴史のある星。
その星には「わが世より621年、新しい女王がこの星を導くだろう」
という初代王妃の予言があった。
そして、予言の女王は、予言・予知の力をもつ病弱な第1王女フレデリシア・ヘレネ姫ではないか、と考えられていた。
まさにその年、クレドーリア歴621年、クレドーリアは辺境星ソロンとの長い戦いに敗れソロン皇帝の要求に屈服、
第2王女ヒルデガルド・セレネ姫はソロン皇帝との政略結婚を強いられるが・・・。
この元気な第2王女ヒルダ姫が主人公。
ヒルダは12年前、政争に破れ流刑されたサリース公の残した資料から、
クリテリオンの太陽が活動期に入っていることを知る。
このままではクレドーリアの北極の永久凍土が溶け、大陸は海中に没し、
星は破滅してしまう。
しかし、戦争と抗争に明け暮れる政治家はその事実を認めようとせず、
却ってサリース公を流刑したのであった。
流刑先のダール星にはサリース公にその科学的根拠を示した高名な科学者リチャード・タオ博士が居た。
博士に会いに行くために、挙式前夜、城を抜け出したヒルダ姫は、
迎えに来ていたダールの海賊ラドとともにクレドーリアを脱出するが、
ソロン皇帝の船に拿捕されて・・・・。
張り巡らされた複線と、無理なく、無駄なく進んでいくストーリー。
これがコミックスのたった1巻に収まってしまう、
この緻密なネーム運びには感動してしまいます。
それに、文月先生のシリアス作品には、実は結構悲劇的なものが多い
(ように思う)のですが、
この作品は、もちろん一部の悲劇はあるのですが、最後に大きな救いがあって、
ほっとさせられる結末となっています。
実は、私は、文学少女、とまでは行きませんが、
中高時代はお話を書いてみたいな、と思うほどには物語に興味がありました。
そんな方なら、きっと分かってくださると思いますが、
かつて少女であった誰もが、一度は夢み、(文才があって、書けるものならば)書いてみたい、
と思うような、そういうストーリーです。
それに、何より、男性が格好いい。
文月先生作品の男の方が格好いい、というのは定説、ということを、
後に私は知ることになるのですが、
『グリーン・レクイエム』の島村信彦は残念ながらそういうキャラクターではなかったので、気づかなかったのですね。
『クレドーリア621年』では、悪役の筈のソロン皇帝が、なかなかの男ぶりです。
もちろん、彼には隠された過去があり、
実は根っからの悪人ではない事が、やがて明らかになる訳ではありますが、
これ以上はネタバレになるので、お話ししたくありません。
機会があったら、是非是非、読んでいただきたい作品です。
きっと、コミックスを持っている人はあまり手放したくない(だろう)から、
古書店にも無いかもしれませんが、もしあったら、絶対「買い」です。
もう一つ、文月先生作品で、かつて私が描いてみたいと思った物語を彷彿とさせる作品があります。
それは『金のアレクサンドラ』です。
こちらは、ごく最近、宙出版からハイミステリー1月号増刊として『文月今日子傑作選 金のアレクサンドラ』というタイトルで
A5版の雑誌型で出版されました。コミックス3冊分の内容が590円。
まだ注文可能のようです(99年5月現在)。
これは、1506年のヴェネチアからエジプトが舞台ですが、元気な女の子アレクサンドラが主人公です。
この作品はコミック・ハーイで連載される前に、「プチ・フラワー」誌にプロローグの部分が読み切りで掲載されていて、
その作品を読んで、かつ、その頁をちぎって保存していた私は、連載が始まった時に、もう嬉しくて嬉しくて。
ワクワクしながら読みました。当然、コミックス3冊も持っています。
「プチ・フラワー」掲載分は、結局全部描き直しされていて、当然コミックスにも入っていませんが、
今読み返しても、当時この作品に出会ったときの感動がよみがえってきます。
こんなお話が書きたかったよなー、という感慨と、
自分が書きたかった以上にすばらしい作品に出会えた、という感動です。
それに、読み切りのために凝縮されている分、中身が濃い感じがして、捨てきれずに今も持っています。
扉絵のアレクサンドラのカラー絵が、とてもとても緻密なんですよね(ため息)。
このまま、埋もれさせてしまうのは勿体ない、という気がする位です。
以上、文月先生2題でした。
もちろん、他の作品もおすすめなんですよ。
はっきり言って、長いので
とてもお読みにはなれないでしょう。
文月先生の『クレドーリア621年』と『金のアレクサンドラ』
私はちょっとマイナーかな、と思っていますが、
既読の方がいらっしゃったら、教えていただけると嬉しいです。
綏子さま
> 文月先生の『クレドーリア621年』と『金のアレクサンドラ』
>
私はちょっとマイナーかな、と思っていますが、
>
既読の方がいらっしゃったら、教えていただけると嬉しいです。
『金のアレクサンドラ』の方はまだ読んだ事がありませんが、
『クレドーリア621年』は最近手に入れた近年の文月今日子作品のひとつとして
読みました。・・・近年の、という中では古い部類になると思うのですが(^^;)
リアルタイムでデビューから脂の乗っている頃の作品を読んでいた身としては
やはり「近年の」部類に入ってしまいます>『クレドーリア621年』
読んでみた感想は、「文月今日子のSF作品は珍しい。メカもきっちり
描き込んである・・・ブレーンに誰かいたんだろうか〜〜」というものでした(^^;)
どうも文月今日子作品の中にきっちりメカが描かれていて
それが内容と全然違和感がない・・・という意外性の方ばかりへ目が行ってしまって・・・(笑)
で、肝心の話の内容としては・・・初期の頃の文月今日子作品と組立方は似ているけれど
伏線の張り方等が単純(=読者が登場人物のつながりを早々に予測しやすい)
したがって内容もちょっと浅かったかな。。。と思ってしまいました(^^;)
文月今日子作品の複雑な伏線が絡み合って感動を呼ぶ(と勝手に私が思っている)作品の例としては
『ノクターン』(昭和52年度作品 KCコミックス「星空の切人ちゃん」に収録)など
いかがでしょうか?
『ハリエットの娘』(小学館FCコミックス)も同じ部類に挙げられるかもしれませんが
文月今日子作品では(特に初期の)短編の方が、読者の想像を上回る内容、感動が凝縮されている作りの
物が多いような気がします(^^;)・・・独断と偏見で申し訳ないのですが・・・(__;)
でも私もすべての文月今日子作品を読んだ訳ではないので、私がまだ読んでいない
傑作がどこかの古本屋の片隅に眠っているかもしれませんね。・・・という訳で
現在私は綏子さんお勧めの『金のアレクサンドラ』を、初期の作品である『地中海のルカ』と共に探しております(^^)
今回の更新は「ファミリー!」で行きました。
「ジョセフへの追想」は、「いい」という人と、「結構ありきたりなストーリーだ」という人と賛否両論ありますね。
ところで、この「ジョセフ…」と、「はじめちゃんが一番!」の間に書かれた作品なんですが、タイトルがどうしても思い出せない。陸、海兄弟と、実でない妹、空子をめぐる大河内家の話で、くだらないと思いながら結構気に入って読んでたのですが。
何でしたかしら…。
>
ところで、この「ジョセフ…」と、「はじめちゃんが一番!」の間に書かれた作品なんですが、タイトルがどうしても思い出せない。陸、海兄弟と、実でない妹、空子をめぐる大河内家の話で、くだらないと思いながら結構気に入って読んでたのですが。
>
何でしたかしら…。
その話はたぶん「聖14グラフィティ」ではないかと思うのですが。
確か文庫サイズも出たと思います。
私の友人が持っていて、借りて読んだ覚えがあります。
あんな兄がほしくてたまらなかった記憶が…。
> その話はたぶん「聖14グラフィティ」ではないかと思うのですが。
>
確か文庫サイズも出たと思います。
そうでした、ありがとうございます。でも文庫サイズまで出てるとは思いませんでした。個人的にはかわみの「まりこ闘争」と同じような印象ですね。(作品の位置付けとして)
このページに遊びに来る人に清原なつのファンがいるかは疑問なんですけど(皆さん、マニアックな作品が好きですよね)、高校時代に私が一番好きだったのは、実は清原なつのなんです。作品自体がすばらしかったと言うよりも、主人公が自分と等身大だったから好きだったんだと思います。当時は女性に生まれた事を幾分恨めしく思っていたので、「花岡ちゃん」のシリーズにはジーンときていました。
主人公に自分を重ねられたから好きだった作品は他にも有ります。庄司陽子の「生徒諸君!」とか、成田美名子の一連の作品とか(ひたむきな主人公が多い)、くらもちふさこ、倉持知子、小椋冬美、高橋由美子、陸奥A子・・・。でも大人になった今、それらの作品をもう一度読みたい、と言う気にはなれないんですよね。懐かしさから思うことはあっても。もう等身大じゃないって事なんでしょうけど。それだけの理由で好きだったのかな、と思うと少し寂しいですが、そんな作品たちこそ、いわゆる青春時代に読むべきなんでしょう(ちょっと、クサかった?)。
大人になっても面白いと思える作品は普遍性があるかもしれないけど、読むべき時に出会えた作品は、それだけでも価値がある、と思いたいです。(読むべき時に出会った、と言う表現はうまい表現だったので、綏子氏の文章から拝借しました。あしからず)
>
大人になっても面白いと思える作品は普遍性があるかもしれないけど、読むべき時に出会えた作品は、それだけでも価値がある、と思いたいです。(読むべき時に出会った、と言う表現はうまい表現だったので、綏子氏の文章から拝借しました。あしからず)
私、そんな事を書いていましたか? 自分で書いて、自分の言いまわしを忘れているという・・・。
清原先生の作品では『天の回廊』だったかしら、
聖武天皇の皇后になった光明皇后(?でしたっけ?)が主人公のお話。
あれが何かしら印象に強く残っています。
当時の『ぶーけ』は、いい雑誌でした。
>
私、そんな事を書いていましたか? 自分で書いて、自分の言いまわしを忘れているという・・・。
「訪問帳」の書き込みの中の「出会ってしまった時期がそういう時期だったからで、もう仕方がないような、そんな出会い」と言う表現、Good!だなー、なんて思ってたんですけど。そんな風にいい作品に巡り会いたいなー、と。
私の友人で清原なつのの熱狂的隠れファンがいましたよ。男の人でしたけど。
『りぼん』がまだ大人も読める雑誌だったころ連載されていたそうで、だいたいマンガ家の特集が組まれても清原があがってこないのはおかしいとぼやいていました。
東北出身だったんですが、わざわざ関西の下宿にまで全巻持ってきていて、かえって「貸して」の一言が言えませんでした。
白泉社に問い合わせましたら、作品リストにあげた「シャンペンシャワー」は現在絶版だそうです。白泉社のホームページで検索して出てこないものは現在絶版状態になっているものだそうです。
根強いファンがいただけに、残念です。
残念ですね。私は雑誌で読んでいた覚えがありますが……。
たしかイメージアルバムも持ってたはず。
近所の古本屋に出かけたときにもイメージアルバムを見つけて
とても懐かしくなりました。
いい作品でも,継続して売れない限りすぐ絶版になってしまう。
消費社会のサガですかね。
>
たしかイメージアルバムも持ってたはず。
懐かしい、ありましたね、そんなの。そうです、そうです。
でもあれ文庫化すれば売れると思うんですけど。当時と違って、「サッカー」って売り言葉だけども売れるんじゃないですかね。
あれが連載されてた頃は、まさか日本がワールドカップに出場するようになるとは思ってもいませんでした。時代が変わりましたね。
あしべゆうほ「クリスタルドラゴン」秋田書店一巻から十六巻。
正当派のファンタジーだと思うんですが、舞台がローマに移ってから、そごくスロースピードになってしまい、私はてっきり、いいかげん終了してて作品リストに入れられるかと思っていたら、まだ終わってない。
絵も美しく、話もこっていてなかなかお勧めです。でも、いつ終わるんだろう。
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絵も美しく、話もこっていてなかなかお勧めです。
そうですよね!私も好きです。ちまちま読むよりいっきに読みたいと思うので、早く完結しないかな。
ちなみにわたしはバラーが好きです。バラー側のおかっぱ頭の男の人も好き。(名前忘れた。)
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ちなみにわたしはバラーが好きです。バラー側のおかっぱ頭の男の人も好き。(名前忘れた。)
グリフィスですね。私はバラーが普通の人間に戻って、アリアンと結ばれてほしいと昔思っていました。今1年一巻ペースのような気がするんですが、どうなるんでしょうね。