June Bride

(作 咲花圭良)

 千尋は部屋で目覚めると、そばには知らない男がいた。慌てて外へと飛び出したが、自分が記憶を失っていることに気付く。部屋に帰ってみるとその男は待っていて、彼はインターネット放送局の社長で、自分は社員であることを知らされる。そのホームページを見ると結婚特集、指には婚約指輪がはめられていることに気がつき、もしかしたら自分は結婚する予定だったのではないかと思う。
 自分は誰か、誰と結婚するかを探すうちに、様々な過去が浮き彫りにされ、千尋は自分にまつわるある「事件」へとたどり着く。

 大森一樹監督映画、「ジューンブライド─6月19日の花嫁─」(原作、乃南アサ「6月19日の花嫁」)を鑑賞し、そのストーリー展開をベースとして、高校時代 の作品「霧中」などの過去作品を要素として加え、新たに書き起こした、パロディ的試作。

(執筆期間:1998年7月~10月、2000年7月~2001年3月)

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※ パロディ的試作とは

 細かいようですが、「パロディ」ではなく「パロディ的試作」です。
 創作上の技法に「模倣」という技法があります。「パロディ」はそのうちの一つですが、本編では、主線のプロット(筋)を変えることなしに、別のストーリーを作り上げるという、プロット引用を試みました。そのため筋は同じですが、肉付けの部分は全く別物となっております。筋はたいへん似ているけれども、表現が違うということ。元ネタになっている映画との違いを見ていただければ、より楽しんでいただけるかと思います。訪問者感想では「全く別の話になっている」そうです。